独自政策と並行できないのか
少し前に2030年半ばにガソリン車、ディーゼル車の販売を終了させるというニュースが話題となっていましたが、本当に可能なのかちょっと疑問ではあります。
ハイブリッド車は、この規制から除かれると考えられますが、これについても、どの程度のハイブリッドなら規制の対象から外れるのかも現時点ではなにも発表されていません。さらに、日産のePowerのような技術を使用した車がどういった位置付けで扱われるのかという疑問もあります。こういった曖昧な部分を除いたとしても、ガソリンスタンドに代わるインフラや、税収の部分での問題、ハイブリッドの技術を搭載することに向かない安価な軽自動車をメインとして製造しているメーカーへの対応など。
税金が多く投入されているからこそ
日本の自動車産業は、多くの雇用を生み出しているため、多くの税金が投入されていることも事実であります。こういった多くの変革を伴う事業について、10数年という期間でどれだけ対応できるかという疑問があります。
化石燃料を使用する自動車にとって切り離せないのがガソリンスタンドですが、こちらの部分についてはもっと大きな変革を迫られるのではないかということ。10数年後に新車販売が規制されたとしても、使用されている化石燃料自動車がすぐに使用できなくなるわけではないので、すぐに大きな影響が出るわけではないと考えられますが、EV用の充電スペースを併設するのか、もしくはFCV用の水素ステーションを併設するのか。いずれ、事業転換を迫られるわけですが、日本国内では、EVを推していくのか、水素燃料電池を推していくのか、現時点ではなにも語られていません。
世界的には、技術的レベルがそれほど必要のないEVを推しているようですが、日本も仮にそうなった場合、自宅に充電設備を設置することができるのは、ほぼ戸建て住宅のみというのが現実的な見方だと思われ、駐車場を有するマンションであっても、各世帯に対して1基充電ステーションを用意するというのはほぼ不可能でしょう。また、全てがEVへと切り替わる場合、電力の供給についても不足する可能性があるのではないかと言われています。これについては、原子力発電所を稼働させることができれば解決できそうですが、そもそも、現在、国民は原子力発電所に対して、若干ナーバスなイメージを持っています。自動車系のネタなので、ここでは原子力発電の事については特に深く触れませんが、少し考えただけでもここまで解決しなければならないことがあります。
こういった限られた条件の中で問題を解決していくことは、日本の企業は得意なのではないかと僕は感じます。ネガティブな問題が多くを占めているガソリン車からの脱却ですが、これを機に、日本の自動車業界がさらに発展していく事を望んでいます。