- エンジンを捨ててもフェラーリの価値は維持できるのか
- フェラーリのエンジンに関する仕様変更の際はいつも反対の声があがる
- ここ2年ほどの間で多くの自動車メーカーがEVへシフト
- フェラーリのEV移行の障壁はやはりバッテリーの技術的問題
エンジンを捨ててもフェラーリの価値は維持できるのか
フェラーリと言えば、そのボディーの美しさや格好良さも魅力のひとつでえすが、やはりエンジンこそそのブランド価値を決める絶対的な要素だと個人的には感じています。
フェラーリは当初2025年以降まではEVについて発売をしないと発表していましたが、今回、株主(おそらく大株主向け)に対して最初のEVは2025年には発売すると語ったようです。
フェラーリのエンジンに関する仕様変更の際はいつも反対の声があがる
スペチアーレモデル以外でV型8気筒エンジンがターボ化された際に、フェラーリが自然吸気からターボに変更した際(458から488へのモデルチェンジのタイミング)にフェラーリのターボ化はだれも望んでいないと一部で騒がれましたが、実際にはターボ化を理由として売り上げが落ち込むことはありませんでした。
また、V型12気筒エンジンにモーターを組み合わせられハイブリッド化を果たしたラ・フェラーリが発表された際にもフェラーリがハイブリッドなんて搭載してどうすると一部でバッシングされたこともありました。それでも。予定の限定生産数のオーダーは当然全て埋まり、完売となっています。
しかし、これらの事例はどちらもエンジンを搭載しているという事に変わりはなく、エンジンを搭載しないフェラーリではなかったという事でもあります。フルエレクトリックモデルとなると、ブランドイメージに対してどのような影響が出てくるのかというのは、まだはっきりとは予想は付きません。
ここ2年ほどの間で多くの自動車メーカーがEVへシフト
フェラーリが2019年後半にEVの発表時期を明言して以来、自動車業界では多くの変化がありました。ここ数年、EVへの移行を推進する多くの自動車メーカー、そしてフォードやメルセデスまでもが、EVの開発のためにに多額の投資を行っています。これらの投資により、コストの削減や、EVのパフォーマンスを向上をはかっていますが、フェラーリ製のEVが市場に出回るまでにはまだ時間を要することとなっています。
フェラーリのEV移行の障壁はやはりバッテリーの技術的問題
フェラーリは、バッテリー技術の限界と充電時間の長さについて、懸念を抱いていました。
フェラーリ製最初のEVについての詳細はほとんどが明らかにされておらず、2020年初頭に提出された特許出願は、同社の意図を示しているように見えました。
フルEV推進とハイブリッドの両方をサポートできる4基のモーター、4輪駆動のミッドシップエンジンカーの特許になります。
V型8気筒市販車の先を照らすSF90ストラダーレ
フェラーリは2019年にハイブリッド車であるSF90ストラダーレを発売しています。4.0リッターV型8気筒エンジンと3つの電気モーターを組み合わせて、24kmのフルEV走が可能となっていて、986馬力(753kw)の最高出力を発生します。また、0-60MPH(時速96キロメートルまでの)加速は2.5秒。この技術をさらにエンジンを小型化した車両(V6エンジンの搭載が噂されているモデル)やフルEVへと生かしていく事となるでしょう。
かつて公開されたHY-KERS(ハイ・カーズ)ヴェットゥーラ・ラボラトリオ
かつての(2010年に開催された)ジュネーブモーターショーにおいて、599GTBフィオラノのハイブリッドモデルの実験車を公開しています。『HY-KERS』と呼ばれるシステムを搭載していたこの車両が、フェラーリ初のハイブリッドGTとなります。