マクラーレン初の量産ハイブリッド
そういえば、マクラーレンってハイブリッドカーを販売していなかった?と思った方、正解です。
2012年、マクラーレンはP1デビューさせました。ブランドの最初のハイブリッドカーは、903馬力(673キロワット)の合計出力、0-62MPH加速は2.8秒というスペックで登場しています。
2012年のパリサロンに出品後、2013年のジュネーヴショーで正式に詳細なスペックとともに発表。生産台数は375台で、日本での販売価格は当時9,661万5,000円(税込み)というものでした。
そう、限定車でとても高額なハイパーカー。しかし、今回発表されたArtura(アルトゥーラ)はマクラーレン初の量産ハイブリッドとなります。
マクラーレンArtura
ツインターボチャージャー付きの3.0リッターV型6気筒エンジンを搭載し、単独で577 hp(430 kW)の最高出力と584Nmのトルクを生成させることができます。トランスミッションベルハウジング内にある「E-Motor」は、さらに出力94 hp(70 kW)と225 Nmのトルクを追加し、合計出力は671 hp(500 kW)と804 Nmのトルクを発生。
その有り余るパワーはArturaをわずか3.0秒で時速約100km/hまで加速させることができます(マクラーレンP1よりわずか0.2秒遅いのみです)。
最高時速は328km/hで、リミッターによりに制限されているとのことです。
そのパワートレインに組み合わせられるのは、新型の8速デュアルクラッチトランスミッション。なんと、これにはリバースギアが備わっていないとのこと。
車を後退させる際には、ハイブリッドユニットのモーターに逆方向の電気信号を送り、モーターを逆回転させることでバックするという仕組みになっているのだそうな。
そのモーターは、合計容量7.4kw/hのリチウムイオンモジュール5個で構成されるバッテリーパックが使用されていて、P1と同様Arturaはプラグイン機能を備えたEVのみの走行可能なモデルとなっている様です。
標準のEVSE充電器を使用すると、わずか2時間半で0%から80%まで充電可能とのことですが、どれくらいの電力で充電した際の時間なのかは今のところ不明です。
マクラーレンカーボンライトウェイトアーキテクチャ
Arturaは、ブランドの新しいマクラーレンカーボンライトウェイトアーキテクチャ(MCLA)を使用する最初の車両です。
エンジニアは、このようなハイブリッドパワートレインに対応するためにこのプラットフォームを特別に設計しました。スーパーフォームされたアルミニウムとカーボンファイバーにより、重量を最小限に抑えながら形の良いプロポーションを実現します。
マクラーレンアルトゥーラの重量は1,498kg(乾燥重量1394kg)とハイブリッド車としては極めて軽量です。
モーターやバッテリーパックなどのハイブリッドコンポーネントの重量は、合わせて130kg。バッテリーパックの重量は88kg、E-Motorは15.5kgとなっています。一方、ガソリンエンジンの重量は160kgで、V8エンジンよりもおよそ50kg軽くなっています。
新しいMCLAアーキテクチャにより、マクラーレンは多くのアクティブセーフティ機能を統合することができる様になりました。Arturaは、アダプティブクルーズコントロール、車線逸脱警報、ハイビームアシスト、道路標識認識機能が統合されたシステムとして構築されており、すべて無線アップデートと組み合わされるとのこと。
現代のテクノロジーに合わせたアップデート
内部のテクノロジーもアップデートされたものとなっており、高解像度のタッチスクリーンお備え、AppleCarPlayとAndroidAutoに対応。また、可変ドリフト制御機能を備えた新しいトラックテレメトリソフトウェアを備えた新しいマクラーレンインフォテインメントシステム(MIS IIと呼ばれる)を新しく搭載した車両となっているようです。
気になる価格については、現在発表されているアメリカでのベースモデル価格は225,000ドルとこのスペックのスーパーカーにしてはかなり抑えられた価格なのではないかと思います。価格競争の激しいアメリカでの価格なので、日本での発売価格は大幅に上昇すると思われますが、27,000,000円位で発売されれば、それなりのインパクトはあるのではないかと思われます。
ベースモデルには、パワー調整可能なシート、スマートフォンのミラーリング機能、ノーズリフト、パワーフォールディングおよびヒーター付きミラー、ソフトクローズドアなどの標準機能が付属しているとのことです。