実際に運転をする
さて、インテリアの豪華さや機能について多少触れたのですが、実際に走ってみて感じた事を書いてみたいと思います。
交通量が多い国道と、幹線道路を中心とした試乗だったので、その性能をほとんど出し切ることができませんでしたが、言い換えれば、実際の使用状況と同じような条件での試乗という事で、実用車としての感じ方がどのようなものかというのが理解できたような気がします。
最近の高級車よろしく、ドライブモードの切り替えが装備されており、『"Normalモード"、"Confortモード"、"Ecoモード"、"Sport S"/"Sport S+モード"』の切り替えができます。エンジンのサウンドやシフトアップなどの体感できる演出がきちんとできているのは、高級車であっても必須なのではないかと思います。モードの切り替えはメーターフード左にあるドライブモードセレクトスイッチで行える様になっています。モードを"Sport S+"にセットすると、迫力のあるエンジン音が聞こえてくるのですが、よく言えばV6らしいサウンドなのですが、ちょっと物足りなさは感じます。V8エンジンが搭載されていれば最高なんだけれどなと思いながら、この巨体を走らせるには十分すぎるパワーだと同時に思いました。V8サウンドを楽しみたいのならば、LC500かFシリーズでどうぞという事なのでしょうか。これだけ完成されている車なので、ぜひLSにもFシリーズのラインナップを加えてほしいと思います。そして、V8エンジンとモーターのハイブリッドモデルもラインナップして欲しいと思いを馳せます。
おおよそこういった感じで、とても満足させられたLSの性能なのですが、ちょっと感心した個所を2点あげたいと思います。ひとつはシフトノブについて。すぐ隣に電子式パーキングブレーキのボタンがあり、シフトノブの動きは実にシンプル。プリウスのそれと同じような感じで、右に倒しながら上で"R"(バックギア)、同様に右に倒しながら下で"D"(ドライブモード)となっており、単純に右に倒すと"N"(ニュートラル)に入ります。もう一つ、右に倒さずそのまま下に入れることにより"M"(マニュアルモード)に切り替わるという仕様。ごちゃごちゃしやすいシフト周りですが、とても分かりやすく好感が持てました。もうひとつは、フットブレーキのアシスト機能。こちらはメルセデスベンツの試乗の際にも体感しており、とても気に入った昨日でした。LSではフットブレーキを長く踏むことで作動されますが、LSの場合、ボタン式。はじめは、毎回このボタンに手を伸ばさなければならないのかと思ったのですが、一度設定すれば、解除するまで機能が維持され、ブレーキを踏めば、その都度ブレーキのアシスト機能が作動してくれ、普通にブレーキで停止して、ブレーキから足を放せば良いという優れもの。メルセデスのそれとどちらが良いかは好みの問題なのかもしれませんが、僕は断然このLSの動作の方が好みです。
そのほか、レーダークルーズコントロールまでを試す時間がなかったのですが、まだまだ先進機能が装備されています。
決して安い金額ではありませんが、その金額を払うだけの価値がある車だと感じたのは久しぶりかもしれません。
レクサスLS スペック
乗車定員 5人
ボディタイプ セダン
エンジン V35A-FTS型 V6 3.5L DOHCツインターボ(LS500)
8GR-FXS型 V6 3.5L DOHC(LS500h)
駆動方式 FR / AWDモーター 2NM型 交流同期電動機(LS500h)
132kW(180PS)/300Nm(30.6kgfm)
最高出力 314KW(421PS)/5,200rpm~6,000rpm(LS500)
220kW(299PS)/6,600rpm(LS500h)
最大トルク 600Nm(61kgfm)/1,600rpm~4,800rpm(LS500)
356Nm(36.3kgfm)/5,100rpm(LS500h)
変速機 10速AT(LS500)
電気式無段変速機(LS500h)
サスペンション 前・後: マルチリンク(スタビライザー付)
全長 5,235mm
全幅 1,900mm
全高 1,450mm
ホイールベース 3,125mm
プラットフォーム GA-Lプラットフォーム