staph(スタフ)【著者:道尾秀介】

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あまり難しくない推理小説。どちらかというと推理云々よりも登場する人間に対してのドラマに重点を置いた小説なのではないかなと感じました。
登場するのが皆一応に不器用な人間だというような書き方がされているのではと思います。
前半の物語が動き出すまでがちょっとゆっくりと感じましたが、中盤の物語が進むペースは良いのではと感じました。中盤も終わりのあたりでは、大体の展開が読めるので、後半は読んでいて退屈に感じた点は評価が下がります。
登場人物の年齢が低いためか、ちょっと薄い内容に感じるのですが、逆に少年向けに書けば、主人公である掛川夏都の甥である智弥の世代に対してちょうど良い作品になるのではないかと感じました。
ミステリー小説というよりは冒険小説といった方がなんとなくしっくりくる小説だと感じました。冒険小説として読むと後半前までの流れはとても良いテンポで、それゆえ後半のテンポの悪さが気になるというところでしょうか。
それでも、癖のない作品だと思うので、ちょっと軽めのミステリーを読みたいという方にはおすすめかもしれません。
ちなみにStaphは(黄色)ブドウ球菌【Staphylococcus】のことで、この小説ではブドウ球菌に侵された食品は元に戻ることなく食物を侵食すると言う事で、不可逆反応を例えた言葉になっているようす。
この不可逆反応のように元の状態に戻れなくても良いと事を小説の中で登場人物が行うという書かれ方がされているので、このStaphというタイトルを使用したのでしょう。不可逆反応の意味についてはこの書の中でも実際に説明されています。